定義するのって、なかなか難しいのです~~汗
こんにちは。
Aマネの寺澤です。
今日は、社会について思ったことを少し。
社会というものは、その時代の環境、その時代の思想、 その時代の正義など、
様々な流動的要素によって構成されています。
だから、時代によってまったく別の顔をしていたりします。
例えば、、
古代ローマで一番大事とされていたのは「名誉」
つまり罪を犯したりして市民権を剥奪されることは、 死よりも恐れられていました。
でも、今はそこまでじゃないですよね。
「名誉毀損だー!!」とか訴えたりしてる人がいるくらいです。
ちょっと前ならば、「豊かさ」とか「個のアイデンティティ」 とかが盛んに求められていましたよね。
まさに今なら、「スピードや正確さ」、「自在な視点」 などでしょうか。
しかし、時代によって正義が変化するとすれば、生活や常識、 価値観もガラリと変わります。
みなさんは、どの時代に生まれたいとかありますか?
それにしても、今まさに当たり前と思っている感覚が、 じつはこんなにコロコロ簡単に変わってしまうことも驚きです。
世の中のあらゆるモノは、 時代の更新にあわせてアップデートしていくことが求められていま す。
アップデートという言い方は適当かどうかわかりませんが、 なんにせよ時代が求める仕組みや形というものは確かに存在します 。
科学、哲学、宗教、文化、コミュニティ、思想、生活、 個人のあり方、集団のあり方・・・
もちろん、美術だって例外ではありません。
この時代の変遷を、学問や宗教というフレームで切り取って、 人間ドラマ仕立てに記録した本があります。
犀の角たち(後で情報のっけますので、とりあえず)
内容を紹介します(個人的な偏見で勝手にモノをいいますね)
「かつて、世界はわからないことだらけでした。
分からないということは、 全部神様の仕業で片がついてしまう世界です。
でも、分からないことをそのまま受け入れてしまうのは、 ちょっと違うんでない??
知恵ある人々は、そういって立ち上がったのです。( ソクラテスとか)
彼ら、古代の哲学者たちは、 謎を解明することで神様の領域を縮めていき、
いつかこの世界を人間のモノにしてしまおうと試みました。
こうして人間の探求と発展の歴史は、加速をはじめます。
数学、物理、科学、哲学・・・
学問は細分化し、神を丸裸にするために容赦なく攻め立てます!!
あわや解体寸前?!未知の領域、大ピンチ!!
ニーチェの名言、「神は死んだ・・・」の言葉のごとく、 世界はついに人間の手に陥落されてしまうのか?
・・・と思いきや、そう上手くはいかないんですね、これが。
ある難題な未知の領域が、 天性の才に恵まれた科学者のひらめきによって、 まさに解き明かされたとしましょう。
しかし、それが解明されたことによって、 これまで見えてさえいなかった新たな未知の領域が、 証明されてしまう・・・
そんなこともしばしばあるようなのです。
世界は広い。
神殺しに命をかけた人間が、神の存在を証明してしまうなんて、 皮肉なものです。
ミイラ取りがミイラになんとやら・・・」
と、こんな感じの内容だったような、なかったような・・・
真相を知りたいあなた、こんなブログ読んでないで、 本を読みましょう(笑)
そんなこんなで、人間は探求の末に新しい視点を獲得し、 それが冒頭に触れたその時代の「思想・環境・正義・・」 に組み込まれていくことで、 人の歴史は更新を繰り返してきたのです。
美術史だって、もともとは宗教がらみから端を発して、 今ではずいぶん人間に近しい表現ができるようになりました。
それでも、のめり込めばのめり込むほど、「あ~、 やっぱ神様っているな~」と確信してしまうという意味では、 他の学問と大差ありません。
しかし、「美」という普遍的なものを、 時代に符合した形で表現するには、 新しい視点を獲得するという探求の姿勢を、 やはり決して失ってはいけないと思うのです。
「アートの表現方法は、もう出尽くしてしまったよ・・・」
誰かがいいました。
そう、その人にとってはそうだったのかもしれません。
その時はそうだったのかもしれません。
でも、時代は常に更新されているのです。
どうして少し前の評価が今もまかり通ると思うのか、 と不思議に思うのは私だけではないと思いたい。。
自分がやりつくした上で、「ないな~」と思えば、 ないのでしょう。
でも誰かが言った「ない」 という言葉で世界を見限ってしまうのは、 なんとも残念なことです。
「まあ、確かにないよね~、でも、 こう見たらアリとも言えるんじゃない~??」 といえてしまうくらいのふてぶてしさ・・・ゴホン、 視点の柔軟性を持ちたいものですよね、アーティストならば。
さあ、ダ・ヴィンチ先生にふがいないと鼻で笑われてしまう前に、 アーティスト一丸となって、 美術史のアップデートに取り掛かりたいものです。
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