と、子どもにきかれたら何と答えますか?
roofスタッフのRくんは、 学校や絵画教室で美術を教えるだけでなく、 塾や家庭教師で勉強も教える「すご腕」の先生です。
Rくんの教育観は、
・断片的に物事を教えるだけでは本末転倒
・美術も数学も、 子どもたちから根本的に湧きあがる問いかけにアプローチするため のモノでなければならない
というポリシーに基づいています。
つまり、「どうやって描くの?」より、「なぜ描くの?」
「どうやって解くの?」より、「なぜ勉強するの?」なのです。
描き方や公式といったやり方を教えるだけなら、割りと簡単です。
でも、「なぜ?」と問われると・・ 言葉に詰まってしまうんじゃないでしょうか。
しかし、Rくんいわく、
「こういう疑問を子どもが口にしたら大成功」なのだそうです。
■子どもが目標を持つプロセス
①学びをきっかけに、自分自身で疑問にたどり着く
②その疑問に、子ども自身が納得する答えを見つける
③子どもが興味ややりたいことを自分の中に発見する
④興味ややりたいことを、目に見える目標に昇華する
指導者の仕事は、子どもの性質を良く観察し、 それぞれの場面で必要な形のサポートを行うことなのだそう。
「テストで一番をとることが目標になってしまうと、 大学や社会へ出たときにつまづいてしまう。
それはあくまで手法でしかないのだから」
という言葉が、大変印象的でした。
さて、そんなRくんに難しい仕事が回ってきたようです。
勉強嫌いで引きこもってしまった子どもに、 3回だけ家庭教師に行って欲しい・・・
「ぜひ、R先生にお願いしたいのです!!」
・・・ベリーハードモードです・・・
私なら、「無理!」 と投げ出したくなってしまうような案件ですが、 Rくんは涼しい顔をしていました。
「学校の競争システムに矛盾を感じているなら、 何の疑問も持たない子どもよりはよっぽどマシだ」
おお、さすが。
でも、たった3回で何を教えるつもりですか?
「なぜ勉強しなければならないのか、を教える。
それから、好きなものを聞き出す。
ゲームでも、マンガでも、子どもの意欲を引き出せるなら、 それはプラス材料になる」
それから、どういう形であってもいいので、 子どもが前向きになにかに取り組むための環境づくりを行うという ことですね。
子どもは特に、「やる気」に左右されがちなので、 好きなことをきっかけにした目標の設定は効果的かもしれません。
確かに、「良い大学入って、良い会社に就職して・・・」 なんてのを目標にすると、だんだんやる気が失せてくるような・・ ・??
ちなみに、まだタイトル回収できていませんでした。
どうして、勉強しなくてはいけないんですか?
Rくんは、あくまで僕の意見だけど、と前置きして答えてくれました。
「・・・人は、 大人になった時どんな考え方が出来る人間になっているか、 が大切なのだと僕は思う。
学校の教科には、英・国・数・理・社の5教科に加え、 美術や体育、家庭科、道徳など、 たくさんの学問が学べる仕組みになっている。
テストや受験が一番!と考えるのなら、 別に5教科以外はいらないんじゃないか?という人がいるけれど、 僕の意見はそのまったく逆だよ。
教科は、それぞれに名前がついて分かれているだけあって、 問題の捉え方や考え方、モノの見方がすべて異なっているよね。
つまり、色んな視点を学ぶことで、 将来なにか問題にぶち当たったときに、 物事を非常に多角的に考える力を養うことが出来るんだ。
狭い視野で限界を作るのではなく、 広い視野のなかであらゆる可能性を探ることが出来る。
そういった思考を大人になるまでにある程度確立するために、 子どもは勉強をするんだよ」
な、なるほど。
納得です。
教える側が、これくらい理路整然と疑問に答えてくれると、 子どもたちも安心して勉強できるのかもしれませんね。
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